未完成の中に未来運が蔵されている
「吉相墓」は、生前に「先祖の供養塔」を建立し「未来地=自分の墓の建立予定地と、子や孫のための広い墓地」を得て、ご先祖様を祭祀し、お墓を「家の根」として、子孫に相続します。
生前に自分の墓を建立するのを「寿陵(じゅりょう)」といいます。 「墓相」では、自分で自分の墓を建てるのは「子孫がいらない形」と観て、子孫に良くない相です。
「吉相墓」は、「過去『先祖』と、現在『自分と家族』と、未来『子孫』」の家系で成り立っています。お墓詣りはこ先祖様に会いに行くのであり、「先祖の供養塔」を建立して、自分が先祖を供養する事を子に見せ、自分が亡き後は子が「親の墓(父母の石塔)」を建立して、自分がしたように子が先祖と自分に会いに来て、「家の根」として供養するのです。子孫が絶えるのは、先祖の祭祀が絶えることです。
先祖と自分と子孫の「未来地の墓」は、家系に受け継がれて行く家族愛が吉相
「吉相墓」は、家族愛をもって家庭が続くことを願います。婚姻し子を生み養育することの連続が家系です。
そして、先祖の祭祀を家系の中心として、お墓を相続し報恩感謝します。
「吉相墓」は、家の根・運命の元として、家庭運のための未来地を広く取るために、墓所を広く取り石塔を小さく建立します。
未来地とは、夫婦墓を代々建立するための空きであり、代々夫婦が家庭を築き、子孫が継ぐことが続くための、家庭運の未来への余地を得ることです。
「吉相墓」は、未来地が有るから未完成なのです。
未完成ということが大切であり、未完成の中に未来運が蔵されている。未来地に代々子孫が夫婦墓を建立して行くので、いつまでも完成しないのです。
往生とは、兜率天や極楽浄土などに往(い)って生まれること、化生です。身口意の三業を正し、そして、お墓の陰陽二道と、浄土で成仏する相を使います。
「吉相墓」は、夫婦墓で父母を祀ります。墓・位牌を一緒にし、祭祀を平等にするのが、陰陽和合して生む力を発揮します。また、夫婦の戒名が調和していることもより良い吉相になります。
「吉相墓」は、過去は現在の根と言い、家系の出来事を家系因縁と考えます。家系の先祖に因があることを探しますが、霊が祟っているとかは言いません。因縁が良くなる行為をするのは、根である先祖への供養であり、先祖の成仏が進んで、業が浄化がされたと考えられる。だから家運が安定し、枝葉の子孫が良くなり成果が得られると考えます。
「吉相墓」は、設計に使う系図は家運図とも言います。
「吉相墓」は、建立して「これで終わり」とはならないのです。先祖から子孫代々と過去・現在・未来の三世が墓にあるのです。
つまり、「見える世界と見えない世界」と「先祖と自分と家族と未来の子孫の三世」と、その「宿命・天命・運命」などが含まれるから「墓は百相の本」なのです。
家系因縁とよく言いますが、因縁とは直接の原因となるものの〝因〟と、〝因〟を助け、結果の〝果〟を引き起こすものの〝縁〟。因果の法則です。
「吉相墓」は、過去は現在の根と言い、家系の出来事を家系因縁と考えます。家系の先祖に〝因〟があることを探しますが、霊が祟っているとかは言いません。因縁が良くなる行為をするのは、根である先祖への供養であり、先祖の成仏が進んで、業が浄化がされたと考えられる。だから家運が安定し、枝葉の子孫が良くなり成果が得られると考えます。
「吉相墓」は、設計に使う系図は家運図とも言います。普通の家系図は過去の先祖の流れだけを記しますが、家運図は家系の出来事の婚姻や離婚・出生や養子・逆死や水子などの日付を記載し家運を表します。
墓相学に独自の家運の観方がある。先祖の離婚や死別など結婚の出来事からの影響や、子供の生まれ方などを観て、ご先祖様を供養するだけでなく、子孫達が生き方を考慮し業を正して家運を良くして行きます。
しかし、男系を中心として家が続くことを観ているので、現在の核家族や自由・平等に反する。家父長制的で時代錯誤の面がある。
親族に絶家があると良くない影響が起こると観ます。それは、家名に繋がるものだけでなく、家の系図に記載しない妻の里や祖母の里が絶家しているのも、良くない影響が有ると観ます。そして、その悪影響を少なくするために、家庭の外で絶家供養をします。
離婚や再婚の結婚の出来事は子孫達に良くない働きをし、子孫が同じように離婚したり、縁遠くなり結婚しなかったりして、遂には絶家となるとも考えられます。夫婦和合が子孫に良いのです。
「吉相墓」は、建立するだけで家系因縁が良くなるとは考えません。良くなるように家族が業を正して行かなければなりません。
因縁果の道理で考えますと、〝因〟が家族愛で、〝縁〟が家族で墓参り、〝果〟が家庭果が家庭の幸福が家運の長久に良いのです。〝因〟が愛情が無く、〝縁〟が浮気で、〝果〟が離婚で家庭が崩壊では、家運が低下して子孫の運が悪くなります。
〇道教とは違う。墓相独自の福・禄・寿の考えが家系因縁の観方の基礎です。寿徳は、長寿・健康に子孫繁栄・家庭円満を加えます。禄徳を金銭などの動産と事業・名誉・地位と観る。福徳を不動産や「家庭の豊かさ」とします。
〇男系直系による縦の因縁は、相続関係に出る。男性が家庭の寿徳を持ち寿命や子孫と関係ある。子供ができないのは父の寿徳が無いと観る。父親が長男の時は長男に、二男の時は二男に因縁が出やすい。
〇夫・父・祖父の生家などの、男系の絶家があるのは寿徳が弱い家庭です。子供の中で特に長男に因縁が出やすい。
夫の生家が絶家の家庭は、寿徳が少なく短命者がいる。長男(相続者)が病弱や結婚運悪く縁遠い。
〇女系傍系による横の因縁は、夫婦関係や女性に出る。女性が家庭の福徳を持っていて、家庭の幸福と関係ある。母親が長女の時には長女に、二女の時には二女に運命的な面で因縁が出やすい。
〇妻・母・祖母の生家などの、女系の絶家があるのは福徳が弱い家庭と観ます。子供の中で特に長女に因縁が出やすい。
〇結婚入籍しないで内縁の妻や、入籍前の妊娠は第一子は女子が多い。父母入籍前に妊娠して生まれた子供は養子的運命です。父の‟家”の因縁と観ず、霊的には妻の生家の因縁を持って生まれ、妻の連れ子のような運命なのです。
〇女男・二人姉弟の長子女性の場合、女性優位の嬶天下で母系家族的。女性優位の家庭は長子に女児が生まれる、女女の二人姉妹の、長子が女性の家庭は、女性優位・嬶天下・母系家族的の家庭で、福徳少ない。
〇男男の生まれ方は家運隆盛。寿徳強くその後にも続けて子供が生まれやすい。
〇本家を継ぎ仏壇・墓守りをして祭祀を継いだ後継者の運勢は良いのです。兄弟の中で、お墓や親との親交が深い者が運勢が強い。
〇墓相で‟家”が分家を出す因縁は、本家の家運が盛んで分家を出すか、その分家に対応する絶家があるからと観る。また、昔は分家を隠居とも言ったと。親を連れて「携帯分家」した分家の家運は運勢が良いと観ます。
〇特に第一子に男子が生まれた墓の無い分家は、長男・夫・妻・の順に早死しやすい。それを防ぐためには分家の墓が必要。
〇長男が分家し二男以下が家の墓を相続すると「相続違反」であり、両家とも先細りになる。また、二男が相続すると、また、次の代も二男が相続するなど、相続に癖が出て来て良くないとも観る。
仏教では三世の生命と三世の因果を説き、三世を通じて因縁果の応報があると。成仏にも家運にも関係があり、考え方の一つの基礎になります。
〝因〟とは、直接の原因。〝縁〟とは〝因〟を助け、結果を引き起こす条件。〝果〟とは、因と縁が結び付いて起こる結果です。
自因自果と言い、良いも悪いも自業自得。
供養の意味の一つは、三業によって霊にお供えすることです。三業によって奉仕することが〝供〟であり、供物などを捧げて資養することが〝養〟です。この果報を功徳と言う。
身口意(しんくい)と言い、身業・口業・意業の三業を浄めます。業とは身口意によって行われる善悪の行為です。阿頼耶識(あらやしき)と言う深層心理に習慣(薫習)となって残り、三世を貫く。
身業は、身体活動・行い・行動。
口業は、言語活動・発する言葉・思考。
意業は、精神活動・心で思ったこと・意識。
十悪業は、殺生・偸盗(ちゅうとう)・邪淫・妄語・両舌・悪口・綺語(きご)・貪欲・瞋恚(しんに)・邪見。
「吉相墓」は、石塔の三段石を、因・縁・果を象徴すると、観ることができます。
〝因〟の下台石。上台石は〝縁〟。
〝果〟の竿石は、〝因〟と〝縁〟より得た成果です。因果の法則により戒名が付されます。
墓が吉相であっても家族の行為が不浄不徳ならば、幸福な家庭や一家の繁栄は望めません〝悪因苦果〟。そして、日常功徳を積み善根を養う事〝善因善果〟が肝要です。
仏教の宿命は前世の行為の宿業によって決まりますが、俗世間では「親の因果が子に報う」と、親の行いに付いて子が報いを受けると言います。
だから、身・口・意の三業を浄め、因縁を正し、結果を良くすることが、供養にも、家運にも、子孫繁栄にも良いと考えます。
「お墓を内側から直す」とは「墓の内面」の幽の側を良くすること。幽界の見えない根である、ご先祖様を良くする。三世(家系)の業や因縁を良くすることなど。
「吉相墓」は、陰徳積みをするのは先祖供養の回向のためと、自分のため、そして子孫繁栄のためです。
「吉相墓」は、建立しても、なお悩みや苦しみが起こることがある。これは深い因縁や悪業によって受けるのですが、陰徳積みや浄行などを行うことによっても、これらの苦しみは解消されて行くものです。