顕幽一如の菩提

⑲顕幽一如の菩提

株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則

 唯物論では精神の根底には物質があると考えます。化学には唯物論も必要ですが、唯物論では霊とか神とか、物質的でない存在を否定します。
 霊が無いと言えば、先祖の祀りの話にならず、使用できないので、「わかりませんが、有ると思って下さい、無いかも知れませんが」。‟霊を祀る「供養の墓」”を前提として「吉相墓」を説きます。
 我々が現在、日夜見聞している物質的な見える世界を顕界(げんかい)と称し。見聞できませんが常に霊的威力ありて活動しつつある不可思議の見えない世界を幽界と称します。この顕幽(けんゆう)二界はあたかも昼夜の如く、また表裏の如し、かの表面の活動は裏面の潜勢力により、昼間の動作は夜間の準備に基くと考え、終始相互不離の関係にあると観ます。
 お墓は顕界と幽界(黄泉の国)の境にある、千引岩(ちびきいわ)でもあります。
 「吉相墓」は、顕幽一如の菩提であり、浄土を現す聖域です。そして、先祖と父母への、子孫の報恩感謝です。

 幽界(先祖・精神)と顕界(子孫・物質)が、お墓を通して交わり調和してる。
先祖→墓→子孫 ご先祖様を厚くし、自分たち子孫も良くなることを期待します。
 先祖と子孫のために、冥福と子孫繁栄の願いを相に、‟凶を避けて吉に付く「吉相の墓」”に整え、供養し、子孫繁栄の守護とお陰を頂きます。石塔を先祖と父母として崇敬し、家族でお墓詣りをして、先祖と子孫が交わることが、家系の団結です。
報恩感謝→墓→祭祀 報恩感謝に石に戒名で顕現し、手厚く祀る‟霊を祀る「供養の墓」”として、また、「報恩感謝の墓」として感謝の心を物の形にして報恩します。
陰徳→墓→家運 陰徳を積んで、報恩の思いで、感謝の心を供養という行いの形にして報恩に回向し、開運し、家庭運が良くなり、子孫繁栄することを期待します。
 「吉相墓」は、‟感謝の心を形にする「報恩感謝の墓」”とし、報恩感謝して下さい。
 ご先祖様や心の物質的でない見えない世界を厚くし、子孫の物質的な見える世界も良くなるようにしているのです。

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