家系の永続の恩

㉑家系の永続の恩

株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則

 「吉相墓」は、ご先祖様への報恩感謝に、五輪塔の先祖供養塔を建立し、「○○家先祖各霊菩提」として、ご先祖様をお迎えし、家系の永続の恩などに報恩感謝します。家系が先祖から代々子孫に永続して来たから、今の家庭があります。
 ご先祖様は結婚し、子を生み血統を残し、子を養育し、先祖の祭祀を家系の中心として、次の代を担わせて来ました。
 二男以下には、分家を建てさせ、または、親が隠居分家して、家系を枝分かれさせ、夫婦で子を生み育て、そして、本家と別に分家の先祖の祭祀をしました。
 または、二男以下が養子となって他家を継いで、子を養育し、その家の先祖を供養して、家系の安泰を期しました。
 また、娘は嫁に行って、婚家で子を生み子を養育し、婚家の先祖を供養しました。
 昔は子供が出来なければ、嫁を里に帰すという風習もありました。
 家族愛をもって、次世代を生み育てることは、家庭の重要な機能であり、婚姻し子を生み養育する連続が家系です。

 そして、先祖の祭祀を家系の中心として大切にし、先祖と父母を敬い感謝をもって、家を相続して来たのです。
 先祖と子孫は、先祖の祭祀によって繋がっています。位牌・過去帳・お墓・家系図などで知ることによって、先祖と子孫は繋がります。直接に会って知っている家族は、三代ぐらいまででしょう。
 氏ある者は一定の墓所を必要とします。
 お墓は先祖から代々家系を永続して来たことや、家庭の家柄・家風そして宗教・宗派を表します。
 「吉相墓」は、先祖の冥福と、血統を受け継いだことや、家系の永続への報恩感謝と、子孫繁栄を願って、先祖供養塔に「○○家先祖各霊菩提」として、ご先祖様をお迎えし、戒名(霊名)を刻入して、報恩に吉相を施して、手厚く祀ります。
 分家が本家の先祖を戒名で祀るのは‟祭祀の横領”なので致しません。分家は先祖供養塔に「○○家先祖各霊菩提」として、ご先祖様をお迎えし、敬い、子孫の繁栄と家系の安泰の守護を願います。

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