「吉相墓」は、凶を避けて吉に付く「吉相の墓


供養が行き届き、さらに子孫と財産と健康の維持出来る相の墓に建立します

「吉相墓」は、凶を避けて吉に付く「吉相の墓」

 森羅万象、形あるものにはすべて相があリ、その相の吉凶が人に影響をあたえるのです。相とは形のことで、家には家の形「家相」、人には人の形「人相・骨相」があるように、墓には墓の形「墓相」があります。だから、「墓相」という言葉が出て来るのです。
 形あるものをつくるならば、悪い相は避けて、良い相「吉相・福相の墓」を建てるのが道理といえます。ですから、「親の墓」を子が建てさえすれば良いと言うものではなく、子孫が代々幸せで、安泰に過ごせるような 「墓相を良くした墓」すなわち「吉相の墓(吉相墓)」を建てなければなりません。

「吉相墓」は、凶を避けて吉に付く「吉相の墓」

凶を避けて吉に付く「吉相の墓」は、先祖の祭祀をして、家庭運も良くなる吉相。
 「吉相墓」は、冥福(死後の幸福)と共に、家庭運のため吉相に整えます。
 例えば、夫婦墓は冥福に吉相を施し手厚く祀る孝の極致ですが、男女結合の子を生む力を蔵し、三段石は福・禄・寿にあたり、福徳・金銭・健康など子孫の幸せのための吉相でもある。
 そして、枠石で囲うのは、ご先祖様の囲い守られた聖域であり、枠の外から拝礼します。枠石は所有の境界を表し、家庭の財産が他から侵されず守られる吉相です。
 また、悪相墓の障りは祀りに問題がある、手厚く祀っていないためと考えられる。
 「吉相墓」は、その他にも吉相なることが込められて、設計・建立されます。

凶を避けて吉に付く「吉相の墓」

石塔(墓石)の吉相

石塔に霊名(戒名)を刻入する

 「吉相墓」は、ご先祖様への報恩感謝に、石塔に霊名(戒名・法名)を刻入してお祀りします。石塔はご先祖様の霊が成仏するために建てる供養塔です。戒名・法名でなければ仏門に入った形ではなく、成仏しない形です。

父母は夫婦で代々の石塔へ

 「吉相墓」は、一基の代々の石塔に、夫婦を共に祀る夫婦墓で父母を供養します。夫婦墓の竿石の向って右に父、左に母をお祀りし、代々夫婦がそろう相にして、よく供養し菩提を弔います。
 夫婦を一緒にして祀る事によって、子孫にも夫婦として添う形が整っていきます。

親の墓を子が建てる相続の墓

 「吉相墓」は、子が誰でも父母の墓を建立して良いのではなく、建立者は相続者の一人になります。基本的には長男が相続者となり、父母の夫婦墓を建立します。次男以下は家の根となる“分家の「吉相墓」”を新設して、供養塔にて先祖を祀り、嫁に行った娘は婚家(こんか) のお墓を祀ります。

石塔は、しゃがんで顔が竿石の中心の高さ

 「吉相墓」は、代々の石塔は三段石で、枠石も高かさが低く、高くかかげないようにお祀りします。そして子孫は、お墓の正面にしゃがんで低い姿勢で、石塔に顕現した先祖に手を合わせます。それが先祖に感謝し、敬って行うべき作法です。

石塔の吉相
石塔の吉相

代々同じ大きさの石塔を建てる

 「吉相墓」は、ご先祖様に感謝して、代々同じ大きさで夫婦墓を建立します。
 盛運で良かった世代も、不運であまり良くなかった世代も、同じ自分のご先祖様です。同じ様に感謝し供養して下さい。 また、家が衰えた時に親が亡くなっても、楽に夫婦墓が建てられる小さめの墓石が良い。

古いご先祖様は五輪塔へ

 「吉相墓」は、弔い上げ以後の古いご先祖様を、先祖供養塔である五輪塔に、戒名(法名・霊名)を刻入してお祀りします。それは“先祖の集合体”になったお姿であると言えます。

逆死者は小さい石塔で逆位へ

 「吉相墓」は、代を継がずに亡くなった逆死と未婚や出戻りの家族は、向かって右手前の逆位にお祀りします。夫婦墓は代々相続が続く事を願い、順位に代々建立しますが。逆縁(逆死)は悲運が繰り返さない事を願い、逆位に建立します。

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吉相墓は、三段石の夫婦墓

墓域(墓所・塋域)の吉相

墓所に木を植えることは禁物です

 「吉相墓」は、樹木を墓所の枠内に植えない。枠内に木を植える事は厳禁です。
 寺院墓所として、その外郭に防火防風林として植えるのは差し支えありませんが、各家庭の所有の墓所の枠石内に、木を植える事は良くありません。

高さが低い前置き

 「吉相墓」は、前置きは低くして、花を立てても石塔の霊名が隠れないようにし、枠外に、又は入り口の横に置き、花筒の水の腐敗の悪影響から遠ざけます。

墓域の吉相

枠と入口を必ず設置します

 「吉相墓」は、入口と枠を必ず設置します。枠の無い墓や、他家の墓所との一本だけの、協同境石は良くありません。
 自家と他家の区画をはっきりと付けるために、各家の墓所ごとに枠を造ります。また、墓所に他人が好き勝手に入ったり、他人の通り道にならない様にするなど、外部からの侵入を阻止して、吉相を維持する働きもあります。

   

吉方位に向ける

 「吉相墓」は、お墓の正面を東・南東・南の吉方位に向けます。お墓の正面とは枠石の入り口の方向、または、枠のない墓所の石塔の正面の向きの事です。
 御霊(みたま)の祀りは、お祀りする正面の方向が大事です。例えば神社の本殿の多くは南向きで、“天子南面”より来ていると言われています。また、その次に多いのは東向きです。東は日の出の方角です。“日の出の勢い”とは、朝日が昇る様に盛んな勢いの事です。

自然に還る(遺骨式土葬)

 「吉相墓」は、カロート(納骨室)を設置せず、遺骨を石塔の下、もしくは墳墓に埋葬して、早く遺骨が土に還り自然に還るようにします。

土の上に石塔を建て大地の徳(気)を受ける

 「吉相墓」は、大地の土の上に直接石塔を建立します。カロートを設けず直に下台石が大地に接して、そして、ご先祖様を供養し石塔を大地に根付かせます。お墓は家の根として大地にしっかり根を張る必要があります。

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吉相墓は、活力漲る清浄な土

墓地(霊園)の吉相

午前中の太陽の光が当たること

 「吉相墓」は、朝日から正午ぐらいまでの、午前中の太陽の光がよく当たる場所に建立します。
 万葉集には‟朝日照る”という言葉が、墓の枕詞になっていまが、お墓は陰の極みであるから、陽の日を受けなければその家は繁栄しません。陽の日と言うのは午前の日の当たることで、樹木や建物に太陽の光が遮られないような場所に建てます。

高圧電線が真上に通ってないこと

 「吉相墓」は、高圧電線の下は家運に良くないので建てません。家庭が徐々にじり貧になって行きます。高圧電線の高さ以上の距離、お墓が離れていること。
 また、仏壇の中に電線を入れて電気式の灯火を入れるのを、頭痛など頭によくないと観て、仏壇内での電灯の使用しないように指導しています。

墓地の吉相

東・南東・南が低い地形

 「吉相墓」は、東・南東・南に水が流れるように墓所を設計します。良くない斜面の墓地に建てなけらばならない場合は、二重枠にして墓所の傾斜だけでも改善します。

通路や土留めなどが、整備された墓地

 「吉相墓」は、村墓地に建立してもかまいませんが、必ず墓参のために通れる通路が必要になります。墓参に他人の墓所を通らなけらばならない家庭は良くありませんし、通られる家庭も良くありません。
 台風などの災害で、土砂が墓所に流れ入ることは良くありません。その様にならないために、土留め・擁壁(ようへき)がしっかり整備された墓地の方が、土砂崩れの心配などありませんから良いのです。

切り土の土地であること

 「吉相墓」は、地盤が固い安定した墓所に、寒冷地以外は、基礎のコンクリートを打たずに建立します。
 埋立地は墓地には向いていません。地盤が固まっていないので安定せず、石塔が傾く可能性があります。

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吉相墓は、墓所を広く取り石塔を小さく建立する
吉相墓徳風会吉相墓(竹谷式吉相墓)