家の根となる「家庭の墓」 家の根となる吉相

㊸本家の墓

株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則

 「吉相墓」は、“家”のご先祖様が順序良く祀られ、直系の子孫も亡き後には順序良く納まる、「家庭の墓」です。
 日本人の墓の様式は、先祖供養をする「家庭の墓」です。ご先祖の墓が乱雑になっていたり、祀り抜けは良くありません。ご先祖も家族であり、代を継いだ者は、ご先祖を守っていかなければなりません。
 お墓は先祖から代々家系を永続して来たことや、家庭の家柄・家風そして宗教・宗派を表します。
 本家とは、先祖の祭祀を承継し主宰する家庭であり、それが嫡流(ちゃくりゅう)を示し、家督を継ぎます。
 お墓・仏壇・位牌などの財産は、民法で「祭祀財産」と呼びます。祭祀財産は、相続人の皆で分割して相続すると、先祖の祭祀を行うことに不都合が生じますから、一人が承継することになっています。これを「祭祀承継者」と言います。
 戦前の明治民法では、“家”の承継を重要視した家督相続の制度がありました。
 現在では家督相続はなくなりましたが、民法の「慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。」に従って、お墓を承継して祭祀して行くことは、今でも長男の義務みたいになっています。  

 「先祖の祭は子孫の義務というだけでなく、もとは正統嫡流の主人主婦の権利であった」と柳田邦男は著述しています。
 家庭の先祖の祭祀は、その家庭の家風であり、日々の先祖の祭りに御給仕するのは主婦の勤めです。ご先祖様を祭り、その陰徳を子に伝え、子孫を幸福にするのが妻の務めです。
 「吉相墓」は、先祖の冥福と、血統を受け継いだことや、家系の永続への報恩感謝と、子孫繁栄を願って、先祖供養塔に「○○家先祖各霊菩提」として、ご先祖様をお迎えし、戒名(霊名)を刻入して、報恩に吉相を施して、手厚く祀ります。
 本家の墓を承継することは‟家”を継ぐことです。お墓を相続する者が、ご先祖様の徳をよく相続出来ます。建立者の名前を刻んだ夫婦墓を建立して、祭祀承継者として先祖の祭祀を主宰します。
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